著者は、写真家の幡野広志さん。
私が彼を知ったのは、Twitterのタイムラインに表示されていた記事を目にしたのがきっかけだった。
幡野さんの文章を初めて読んでいるのに、言葉がス~ッと入ってくる不思議な感覚がした。
信田さよ子さんの本を読んだ時と似てる気がする。
私は、幡野さんの存在を知ると同時に、彼がガン宣告を受けていたことも知りました。
「優しい虐待」という言葉と、
タイトルに惹かれて、著書を読んでみたいと思うようになりました。
- 作者: 幡野広志
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/08/21
- メディア: 単行本
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幡野さんが息子さんに向けた言葉に、癒されている自分がいます。
親の立場で読むのと、そうじゃないのとでは読み方が違ってくるかもと思いました。
私だったら、自分の子どもにどんな言葉を向けるか?
ヒントをもらえた気がしました。
あと、内なる自分の声が厳しい時や自己嫌悪が激しい時、
自分が自分に寄り添えるようになれたら、前を向きやすくなりそうな気がしました。
「ライスワーク」という言葉を初めて知り、
お金に対する考え方や価値観が転換しそうな気がする。
働き方をもっと柔軟にしたいのが、個人的に課題だなぁと繰り返し読んでます。
読み終えるところで、今は亡き友達のことを思い出しました。
大学卒業してから2年程経っていた時、旧友から電話があった。
友達が入院していること、病に侵されていることを電話で知り、ショックで泣きじゃくりました。
私は居ても立っても居られず、時間を作って、車を走らせて友達のお見舞いに行きました。
体調によっては、会えるかもしれない・・・そんな期待を抱きながら。
友達も合流して一緒に病院へ向かったけれど、面会謝絶で残念ながら会うことは出来ませんでした。
でも、今思えば、、あの時会いに行って、私は一体何をしてやれたんだろうかと思うのです。
おそらく、あふれる感情に耐え切れず、ただ泣くしか出来なかったかもしれない。
想像以上の痛みやしんどさで苦しむ友達に、私はさらに苦痛を与えていたのかもしれない。
そう思うと、私は自分のことしか考えていなかったと痛感しました。
友達やそのご家族に、多大な迷惑をかけていたかもしれなかった。
私が、もし病気になってしまったら、、人に会うのは今以上に徹底して避けると思う。
「かわいそうに・・・」と言わんばかりの悲しげな表情や、同情を突き付けられるのはいやだ。
身内でもしんどいのに、久しぶりに顔を合わせるとかも無理だ。
わざわざそんな顔を見せに来るくらいなら、「帰って!」と、私は激しく怒鳴ると思う。
健康で幸せそうにしてる姿を見ていたら、
羨ましい、妬みや嫉みで内側がドロドロ乱れるだろうから、会いたくなくなると思う。
八つ当たりして、誰かを傷つけるくらいなら誰とも会いたくない。
『絶望読書』を書かれた頭木弘樹さんも、数年前に大病を患った経験がある。
経験者が語る言葉は、すごく重みがある。
今回も、読んでいて改めて反省している。
ストレートに伝えてくださった幡野さんにとても感謝しています。
優しいからいいってわけじゃない。
優しいってなんだろうか?常に考えていきたい。
良かれと思ってやろうとしているその行為は、
果たして相手のためなのか?もしかしたら、自分のためにやっているのではないか?
自分の境界線を守るように、相手の境界線を大事にしたい。
より一層強く思った。
↓ ↓ 様々な人生相談に対し、独自の視点からお答えされているのでよく読んでいます。