福祉現場で働いた経験がある著者。
DV夫から逃れたものの、うつ病になり失職してしまいます。
仕事に就けず、生活保護を受けることに至った経緯と生活保護制度の実態が書かれています。
- 作者: 和久井みちる
- 出版社/メーカー: あけび書房
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本
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学生の頃、私は大学で社会福祉を専攻したけど、
今では、学んだことがすっぽりと抜け落ちてしまい、忘れている箇所がほとんどだ。
学生気分がなくなった今だからこそ、色々学びなおしたいと考える。
明日は我が身かもしれない
最愛のパートナーが、誰よりも自分を大切にするという保証はないように思える。
生きててこれから何が起こるかはわからないから。
いつ貧困に陥るかはわからない。
読んでると、未来の自分かもしれないと思えてならない。
元夫からのDVで、身体的・精神的苦痛を受けている環境から著者が逃げ出せたのは幸運だ。
逃げるという行為に踏み出すのもすっごく大変だったと思う。
さらにうつ病を患い、仕事を退職し、多くの変化によるストレスはきついだろうなぁと自分事のように感じた。
メンタルが病めば、普段出来ていたことが難しくなり、お金を稼ぐことも一苦労だ。
健康な状態で就活に挑むのと比べ物にならない程、とにかくしんどいはず。
生活保護を受給するに至るまで様々な壁が存在し、
また生活保護受給が出来ても、そこから脱しにくい面があり、容易ではないと本書を読んで痛感させられた。
不寛容な社会は生きづらい
セーフティーネットが正常に機能していくためには、やはり当事者の声をきちんと傾聴していくべきだと。
様々なバッシングが多くある状況は、知らず知らず人を追い詰めている。
「自己責任」「甘え」と言い切って、本当に苦しむ人たちの口をふさいでいいのか。
セーフティーネットのはざまで、生きづらい思いや苦しむ人がいる現状に蓋をしてはいけないと考える。
居場所の重要性
生活保護を利用している人たちの出会い、集まり…(中略)そこではケースワーカーに心内言葉を投げかけられた時や、すごく親切にしてもらった時、うれしい時、悲しい時、励まし合ったり情報交換をしたり、時には制度を勉強したりします。限られた費用のなかで、どんなやりくりをしているかといった節約術や、料理のアイデアなども話題になります。
大げさに予算を使って新たな「指導」や「援助」を考えなくても、集まることができれば勝手に学び合えるのです。予算を使うポイントがずれていると思います。
P.137~138 第6章 大切な居場所と仲間たち 居場所薬、仲間薬、お喋り薬より
ピアサポートみたいな、、、似たような状況を共にする人たちの場所があちこちに出来ればいいな。
そこに出向くだけでも何か得られるものはあると思うので、著者の考えに私は同感する。
時期や状況によっては、人と交わるのがしんどい場合は
施策や制度などの情報提供も大切だけど、その前にケアを求めやすいサービスがあればいいなと思う。
生活保護も最新ではどうなっているのかな・・・改めて調べ直していきたいです。
こちらの本も、うつ病や生活保護などを取り上げています。
個人的に、とても読みやすかったです。