進級して、私は小学3年生になった。
前のクラスにいた嫌で苦手な子とは別のクラスになり、私は内心ホッとしたし、担任の先生は若くて優しそうな女性でラッキーだと思っていた。
それでも、新学期当初は、環境の変化や新しいことにたじろいでいたような気がする。
毎年行われるクラス替えの時期は、私にとって、ストレスフルで憂鬱なイベントだったからだ。
先生やクラスメイトによっては、かなり地獄になるし。クラス替えは、なんとなく黒ひげ危機一髪のようだ。
様々なストレスにさらされ、自分が情緒不安定になる気持ちもわからなくもない。
前のクラスでは辛くて苦い経験もしたし、過敏になり、不安を察知しては時々泣いてしまうことがあった。
どうして泣いたのかは思い出せない……
友達付き合いのことだったかもしれないし、ほんの些細なことだったかもしれない。でも、当時は本当に深刻に悩んで考えていたと思う。
そんな時、初めて同じクラスになったある女の子が、泣きじゃくる私の話を聴いてくれた。スクールカーストだと上位に居そうな女の子だ。
私は号泣して過呼吸みたいになり、上手く話せなかったけど、相手はうんうん、と聴いてくれたのがありがたかった。
まるで、お母さんのようだった……
いやいや、自分のお母さん以上に、愛情や包容感にあふれていて、私は安心して泣くことが出来たし、気持ちを表現出来たと思う。
泣いても怒られないし大丈夫だと思えた体験だった。
彼女のおかげで、その後は泣いてしまったことも引きずらず、通常に戻ることが出来た。
同級生なのに、彼女はとても大人びたお姉さんって印象を受けたから、自分の子どもっぽい振る舞いにギャップを感じて、少し恥ずかしくなった。
実は最近まで、すっかり忘れていたことだったけど、過去の出来事を掘り返す作業をしているうちに、彼女のことを思い出した。
私は、あの時彼女に本当に助けられた。
私と付き合うのは、すっごくめんどくさかっただろうけど、泣いてる私に寄り添ってくれて、今 心からありがとうって思える。
初回はこちらから読めます。↓ ↓ ↓